石見畳ヶ浦は島根県の日本海沿岸にある海岸景勝地。
山陰本線の下府駅から2kmほど歩いたところ、海岸沿いにトンネルがある。これが「石見畳ヶ浦」への入口だ。
トンネルは人二人分ほどの幅。
トンネルを抜けると、外ではなく、洞窟の中に出る。海食洞のようで、洞内には海水が流れ込んできている。
洞窟の奥には2つ目のトンネルがある。トンネル内にはこの石見畳ヶ浦の解説板が何枚か設置されている。
トンネルを抜けると、いよいよ石見畳ヶ浦に出る。
一面の岩石海岸が広がっている。岩石の表面には縦横に節理が刻まれており、それが畳を敷いているように見えることから「畳ヶ浦」という名前が付いた。この岩石海岸は「千畳敷」とも呼ばれている。波の浸食によってできた波食棚で、その岩の中には多数の化石が含まれているという。
この波食棚の上には、数多くのキノコ形の岩石がある。この岩石はノジュールと呼ばれる種類のもので、貝などに含まれる炭酸カルシウムが砂粒を核として凝集したものだ。最初は丸っぽい形だったものが、波の浸食を受けて下部だけが削られ、このような形になったそうだ。
海岸沿いに進んでいくと、海側に「馬の背」と呼ばれる大きな岩が見えてくる。断層に沿って地面がせり上がってできた岩で、地上に露出している部分は、上部の砂岩層と下部の礫岩相の二層に分かれている。
馬の背の上にもキノコ形のノジュールが見られる。馬の背の頂上はかつて海面近くにあり、その後隆起したことが窺える。
馬の背を過ぎ、さらに海岸沿いに進んでいくと、広い千畳敷の終端にたどりつく。しかし、ここで行き止まりではない。崖沿いの狭い岩をつたって、さらに先に進むことができる。
途中、2つのアーチから構成される橋を渡る。横から見ると眼鏡のように見えるので、「めがね橋」と呼ばれているらしい。この橋の陸側には海食洞がある。
橋を渡ると、少し広い岩場に出る。その先には漁村が見える。この辺りが、石見畳ヶ浦の終わりだ。
JR山陰本線の下府駅から徒歩30分。