日本最西端の島である与那国島、その最西端にある久部良集落のはずれに、久部良バリ(くぶらばり)と呼ばれる岩石の裂け目がある。長さは20メートル、幅は5メートルほどの裂け目で、底までの深さは8メートルくらいあるという。
かつて当地が琉球王国だったころ、人頭税に苦しめられた民衆が、口減らしのため妊婦にこの割れ目を跳ばせたという伝説が残されている。妊婦が割れ目に落ちてしまえば胎児とともに死んでしまうし、跳び越えられたとしても流産してしまい、いずれにしても人を減らすことができるという残酷なもくろみだ。ただ、人頭税は史実であるものの、妊婦の話は特に証拠がなく、あくまで「伝説」のようだ。
現在、久部良バリのそばには、子供の守り神ともされる地蔵菩薩がまつられている。
久部良バリの隣にアダンの夢製塩所跡がある。
与那国生活路線バスの久小前停留所から徒歩10分